
退職を伝えたあとに、上司から強く引き止められることがあります。
結論から言うと、退職を決めているなら、感謝を伝えつつ「退職の意思は変わりません」と短く繰り返すのが基本です。
引き止めへの返答を準備しておくと、話し合いが長引きにくくなります。
まだ退職を伝える前で、切り出し方や準備から知りたい場合は、退職を言い出せないときの伝え方を先に確認してください。この記事では、退職を伝えた後の引き止め対応と返答例に絞って整理します。
よくある引き止めと返答
| 引き止め方 | 返答の方向性 | 避けたい返し方 |
|---|---|---|
| 給料を上げると言われる | 感謝しつつ、条件だけの問題ではないと伝える | その場で迷った返事をする |
| 今辞められると困ると言われる | 引き継ぎに協力する意思を伝える | 責任を感じて退職日を曖昧にする |
| もう少し考えてと言われる | 考えたうえでの結論だと伝える | 結論がない相談に戻す |
| 退職日を延ばしてと言われる | 希望日と引き継ぎ案をセットで話す | 期限なしで先延ばしを受ける |
| 退職届を受け取らないと言われる | 記録を残し、相談先を確認する | 口頭のやり取りだけで終わらせる |
相手を言い負かす必要はありません。目的は、退職の話を前に進めることです。
基本の断り方
退職を引き止められたときは、次の順番で返すと落ち着いて話しやすいです。
- 声をかけてもらったことへの感謝
- 考えたうえでの結論
- 退職希望日
- 引き継ぎに協力する意思
基本例文:
お声がけいただきありがとうございます。
ただ、よく考えたうえで退職する意思は変わりません。
退職日は〇月末を希望しています。
引き継ぎは責任を持って進めます。
迷っているように見えると、引き止めが続きやすくなります。
返答は長くしすぎない方がよいです。不満や反論を増やすほど、話し合いが条件交渉や説得に戻りやすくなります。
条件改善を提示された場合
給料、部署異動、仕事内容の変更などを提示されることがあります。
本当に悩みが解決するなら検討してもよいですが、退職理由が根深い場合は、条件だけで判断しない方が安全です。
返答例:
ご配慮いただきありがとうございます。
ただ、今回の退職は条件面だけで決めたものではありません。
考えたうえでの結論なので、退職の意思は変わりません。
少し検討したい場合でも、期限を決めましょう。
ご提案ありがとうございます。
一度持ち帰って確認しますが、〇日までに結論をお伝えします。
ただ、現時点では退職の意思が強いです。
条件改善を受けるか迷う場合は、「なぜ辞めたいと思ったのか」が本当に解決するかを見てください。給料だけが理由でないなら、残っても同じ悩みが戻る可能性があります。
「今辞められると困る」と言われた場合
責任感が強い人ほど、この言葉で迷いやすいです。
ただ、退職する人ができるのは、会社に残り続けることではなく、引き継ぎに協力することです。
返答例:
ご迷惑をおかけすることは承知しています。
そのため、引き継ぎ資料の作成と後任への共有はしっかり進めます。
ただ、退職日については〇月末でお願いしたいです。
「困る」と言われたときは、会社に残り続ける約束ではなく、引き継ぎの話に戻すのがポイントです。
情に訴えられた場合
「期待していた」「裏切られた気持ちだ」「ここまで育てたのに」と言われることもあります。
感情的に返すと話がこじれやすいため、感謝と退職意思を分けて伝えます。
返答例:
これまでご指導いただいたことには感謝しています。
そのうえで、自分の今後を考えて退職する結論を出しました。
引き継ぎは責任を持って進めます。
相手の感情をすべて受け止めようとすると、退職の話が進まなくなります。感謝は伝えつつ、結論は短く繰り返しましょう。
「もう少し考えて」と言われた場合
本当に迷っているなら持ち帰っても構いません。
しかし、退職を決めているなら、持ち帰るたびに話が先延ばしになります。
返答例:
ありがとうございます。
ただ、すでに時間をかけて考えたうえでの結論です。
退職の意思は変わりません。
退職日を延ばしてと言われた場合
退職日を延ばしてほしいと言われたときは、希望日と引き継ぎ案をセットで伝えます。
返答例:
ご事情は理解しています。
ただ、退職日は〇月末で進めたいと考えています。
それまでに担当業務の一覧化と引き継ぎ資料の作成を進めます。
もし数日だけ調整できる場合も、期限を曖昧にしないことが大切です。
〇日までであれば調整できます。
それ以降は次の予定があるため、退職日は〇月〇日でお願いいたします。
強い引き止めや退職拒否がある場合
退職届を受け取らない、強く責める、脅すような言い方をされる場合は、一人で抱え込まないでください。
日時、会話内容、メールやチャットの記録を残しておきましょう。労務や法律に関わる不安がある場合は、公的相談先や専門家に確認してください。
厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、労働問題に関する相談先が案内されています。労働条件に関する相談は、厚生労働省の労働条件相談ほっとラインも確認できます。
この記事だけで法的な判断はできません。退職拒否、脅し、賃金未払い、ハラスメントに近い状況がある場合は、早めに相談先を持ちましょう。
転職先が決まっていない場合
次が決まっていないと、引き止められたときに迷いやすくなります。
退職前に求人を確認したい場合は転職サイト比較、相談しながら進めたい場合は転職エージェント比較を見ておくと選択肢を作りやすいです。
引き止められたときに言わない方がいいこと
- 会社や上司への不満を全部ぶつける
- 「考えます」を期限なしで繰り返す
- 退職日を曖昧にする
- 条件改善をその場で即答する
- 口頭のやり取りだけで終わらせる
円満に辞めたい場合ほど、感情的な反論ではなく、退職意思、退職希望日、引き継ぎ案を淡々と伝える方が進みやすいです。
よくある質問
引き止められたら退職を撤回してもいいですか?
条件改善で本当に悩みが解決するなら検討してもよいです。ただし、一時的な引き止めだけで根本原因が変わらないなら、同じ悩みが戻る可能性があります。
退職理由は正直に全部話すべきですか?
全部話す必要はありません。円満に辞めたいなら、不満の詳細よりも退職希望日と引き継ぎの話を優先した方が進めやすいです。
退職届を受け取ってもらえない場合はどうすればいいですか?
まずは日時、相手、言われた内容を記録してください。社内で話が進まない場合や、労務・法律に関わる不安がある場合は、公的相談先や専門家に確認しましょう。
まとめ
- 引き止められたら、感謝と退職意思を短く伝える
- 条件改善を出されても、根本原因が解決するか確認する
- 「困る」と言われたら、引き継ぎに協力する姿勢を示す
- 退職日を曖昧にしない
- 情に訴えられても、感謝と退職意思を分けて伝える
- 強い退職拒否がある場合は記録を残し、相談先を使う
退職の話し合いは気まずいですが、長く説明しすぎるほど迷いがあるように見えます。準備した言葉で、落ち着いて伝えましょう。
参考にした公式情報・データ
- e-Gov法令検索 民法
- 大阪労働局 よくあるご質問 退職・解雇・雇止め
- 厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内
