「給料が安すぎて、働き続けても生活に余裕がない」「仕事は嫌いではないけれど、今後も昇給しそうにない」。収入への不満は、働き方を見直すきっかけになります。
同じ仕事内容・地域・経験に近い求人と比べても年収が低く、現職で改善する見込みが薄いなら、転職活動を始める目安になります。 まず求人を調べて応募先を比較するところから始め、実際の提示条件を見て転職するか判断しましょう。
この記事では、辞めるか迷うときの判断、年収の比較例、相場の調べ方の順に整理します。給与が低いかを示す統計と、自分が転職で得られる条件は分けて考えるのがポイントです。
この記事の目次 (8項目)
給料が安くて辞めたいときの判断の目安
「月給が何万円以下なら辞める」と一律には決められません。年収に加え、今後の昇給、働く時間、生活費を確認すると、次に取る行動を選びやすくなります。
| 今の状況 | 先に取る行動 |
|---|---|
| 同じ条件の求人より年収が低く、昇給の見込みも薄い | 在職中に求人を比較し、選考で自分への提示条件を確認する |
| 給与以外は満足していて、評価・昇給の条件をまだ聞いていない | 上司や人事に、昇給の基準と次の評価時期を確認する |
| 基本給・残業代・賞与を分けて把握できていない | 給与明細と源泉徴収票で現職の収入を整理する |
| 転職先の月給は高いが、賞与・残業・休日の条件が違う | 年間の収入と働く条件をそろえて比較する |
| 貯金が少なく、退職すると生活費の確保が難しい | 毎月の支出と使える貯蓄を確認し、収入を確保しながら探す方法を考える |
これは判断を整理するための目安です。すでに働き続けることが難しい状況なら、給与比較だけで無理に残る判断をせず、状況に応じた相談先も検討してください。次がないまま辞めることへの不安は、会社を辞めたいけど次がないときの考え方で整理しています。
現職に残る場合も、確認する期限を決める
給与を上げたいと伝えるときは、不満だけでなく、担当業務・責任の変化・実績を具体的にまとめます。例えば「業務が〇〇まで広がったので、給与評価の基準と見直しの時期を確認したい」と相談できます。
「いつか上がるかもしれない」で待ち続けるより、次の評価時期や必要な条件を聞き、その時点で改めて判断する方が見通しを立てやすくなります。相談すれば昇給するとは限らないため、求人の確認も並行して構いません。
月給だけで比べず、額面年収と手取りを分ける
求人票の給与と、銀行に振り込まれる手取りを直接比べると、差を大きく見積もってしまいます。求人との比較は税・社会保険料などが引かれる前の額面、生活の見通しは実際の手取りで整理しましょう。
| 確認するもの | 比較するときのポイント |
|---|---|
| 基本給と毎月の手当 | 固定で受け取れる金額を分ける。手当の支給条件も確認する |
| 残業代 | 固定残業代が月給に含まれるか、何時間分かを確認する |
| 賞与 | 直近の実績と今後の見込みを分ける。入社初年度の扱いも聞く |
| 年間の支給額 | 源泉徴収票の支払金額を出発点に、前年からの給与変更も反映する |
| 毎月の手取り | 給与明細の差引支給額を見て、家賃などの支出と比べる |
月給が高くても年収が増えない比較例
次は、計算方法を示すための架空の例です。税引前の金額で、記載以外の手当はないものとします。
横にスクロールして比較できます。キーボードでは表に移動し、左右キーで操作できます。
| 条件 | 現職の例 | 転職先候補の例 |
|---|---|---|
| 月給 | 28万円 | 32万円 |
| 賞与 | 年間60万円 | なし |
| 残業代の扱い | 別途支給。表の計算には含めない | 月給に固定残業代を含む |
| 年額の計算 | 28万円×12+60万円=396万円 | 32万円×12=384万円 |
この例では、月給が4万円高い候補でも、表の条件で計算した年額は12万円低くなります。さらに実際の残業時間や休日数も違えば、働き方への負担も変わります。賞与額や各種手当が未確定なら、「確実な部分」と「変動する部分」を分けて比較してください。
自分の給料が相場より低いかを調べる3ステップ
1. 公的統計で、比較する数字の意味を知る
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、一般労働者の男女計の賃金は月34.06万円です。雇用形態別では、正社員・正職員は月35.88万円、正社員・正職員以外は月24.17万円となっています。
ここでいう賃金は、2025年6月分の所定内給与額の平均で、税などを差し引く前の金額です。残業代などの超過労働給与額や賞与を含む年収、手取り月額とは異なります。
全体平均には年齢・職種・地域・勤続年数が異なる人が含まれます。「平均未満だから転職すれば平均まで上がる」とは判断できません。同じ雇用形態や仕事内容に近いデータへ絞り、次の求人比較の参考に使います。
出典:厚生労働省の賃金の推移(PDF)、雇用形態別の賃金(PDF)、用語の定義。
2. job tagで仕事内容に近い職業を探す
厚生労働省の職業情報提供サイト job tagで、今の職種に近い職業を探します。「営業」なら扱う商材や顧客、「事務」なら担当業務まで確認し、名前だけで選ばないことが大切です。
- 仕事内容が自分の実務と近いか
- 賃金が年収か月額か、どの調査年の数値か
- 全国の数値か、地域を絞った数値か
- 就業者の賃金か、求人で提示されている賃金か
job tagは、複数の職業を含む分類の統計が掲載される場合があります。表示される年収を、その職業だけの平均や自分への提示年収と読み替えないようにしましょう。統計データに関する公式の留意事項
3. 同じ条件の求人を並べて確認する
最後に、同じ仕事内容・勤務地・経験条件に近い求人を複数見ます。最初は5〜10件程度を整理すると、1件だけの高い提示額に引っ張られにくくなります。件数は編集上の目安です。
| 求人でそろえる条件 | 確認すること |
|---|---|
| 仕事内容・役割 | 担当者採用か、管理職候補か。今の経験で応募条件を満たすか |
| 勤務地・雇用形態 | 転居・転勤の有無、正社員・契約社員などの違い |
| 年収の範囲 | 下限と上限、どの経験・役割を想定した金額か |
| 収入の内訳 | 賞与、固定残業代、手当を含むか。初年度も同じ条件か |
| 働く条件 | 残業時間、休日、通勤、リモート勤務の条件 |
「年収400万〜700万円」という表示は、全員に700万円が提示される意味ではありません。下限も自分への内定条件を保証するものではないため、選考や面談で経験に応じた条件を確認します。
求人の探し方を選ぶなら、転職サイト比較で検索型・スカウト型などの違いを確認できます。まだ応募を決めていなくても、比較する条件を整理するところから始められます。
希望年収は「生活に必要な金額」と「転職の条件」に分ける
まず、家賃・食費・返済などの支出から、毎月必要な手取りを確認します。そのうえで、応募先に伝える額面の希望年収と、賞与・残業・休日などの条件を整理します。手取りの必要額をそのまま求人票の月給と比べないことが重要です。
次のメモは、自分の条件を整理するための記入例です。空欄を埋め、まだ分からないところは面談で確認する項目にしましょう。
現職の額面年収:〇万円
うち賞与・変動する収入:〇万円
毎月の生活に必要な手取り:〇万円
希望する額面年収:〇万円
必ず確認したい条件:残業〇時間程度/勤務地〇〇/休日〇〇
年収が上がっても避けたい条件:〇〇
現職の昇給・評価を確認する時期:〇月
希望年収は、求人相場や自分の経験を踏まえて調整します。転職エージェントに相談する場合は、「この経験で応募できる求人と年収の範囲」「その金額に賞与や残業代を含むか」を具体的に聞くと判断材料になります。紹介や年収アップが保証されるわけではありません。
相談先の特徴はdodaとリクルートエージェントの比較、面談の準備は転職エージェントの面談で聞かれることにまとめています。
給料への不満から転職を考えるときの進め方
- 現職を整理する:給与明細・源泉徴収票を用意し、年収と働く条件を書き出す。
- 改善の見込みを確認する:現職の評価・昇給の条件と、他社の求人を調べる。
- 応募先を絞る:希望年収だけでなく、仕事内容や休日も合う求人を選ぶ。
- 提示条件を確かめる:内定時の条件を確認し、現職と比較して入社するか決める。
求人を見ること、選考を受けること、退職を決めることは、それぞれ別の判断です。まず収入を保ちながら比較するなら、在職中の転職活動の進め方と注意点も参考にしてください。
よくある質問
給料が安いという理由で転職を考えてもいいですか?
収入を働き方の判断材料にして構いません。自分の生活と将来の希望を整理し、現職での改善余地と他社の条件を比べましょう。年収だけを見て仕事内容や働く時間を見落とさないことも大切です。
給料は安いけれど、人間関係が良い場合はどう考えますか?
人間関係や働きやすさも残る理由になります。現職で給与を見直せる条件を確認し、転職先では何を維持したいか決めてください。例えば「年収は上げたいが、休日数と通勤時間は維持したい」と整理すれば、比較しやすくなります。
転職すれば年収は上がりますか?
必ず上がるとは限りません。仕事内容・経験・地域などによって提示条件は異なり、月給が上がっても賞与や手当の違いで年収が下がる場合があります。求人票の金額だけで判断せず、自分に提示される条件を確認しましょう。
給料が安いことを面接の退職理由にしてもいいですか?
事実に沿って説明しつつ、今後どのような仕事や評価を求めているかも伝えましょう。例えば、責任が増えたのに評価とのつながりが見えないなら、その状況と次に望む役割を具体的に説明します。年収だけを理由に選んでいる印象にならないよう、応募先の仕事内容への関心も整理してください。
まとめ
給料が安くて辞めたいときは、現職の年収、他社の条件、昇給の見込みを比べると、次の行動を選びやすくなります。
- 額面年収と手取り、固定収入と変動収入を分ける
- 公的統計を参考にし、同じ仕事内容・地域・経験に近い求人で確認する
- 年収の上下だけでなく、残業・休日・通勤も比較する
- 現職の改善余地を確認しながら、自分に合う応募先を探す
まずは自分の収入と希望条件をメモにするところから始めましょう。
参考にした公式情報
- 厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況
- 厚生労働省 主な用語の定義
- 厚生労働省 職業情報提供サイト job tag
- job tag 統計データに関する留意事項
公式情報の確認日:2026年9月16日。判断表・比較例・記入メモはテンナビで作成したもので、特定の年収や転職結果を保証するものではありません。

